アリィ
家に帰ると、私は部屋に閉じこもって頭から毛布をかぶり、動かなかった。
今日の出来事を受け止められるほど、私は強くない。
めぐるのは、生理のことでなく、あの強烈な痛みでもなく、父のことばかり。
耳から離れないのは、「たかがそんなこと」と言った父の声。
絶対に許せなかった。
すぐに会社に戻らなければならないと言っていたくせに、父が家を出ていく気配はない。
あの薬局の前での電話は、「もう戻らなくていい」という会社からの連絡だったのかもしれない。
申し訳ないと思う。
最近ずっと素直になれなくて、自分が可愛くなかったのくらい私が一番分かっていたんだ。
でも、思考と行動が一致しなくて、父に冷たくしてしまう自分に、私だって傷ついていたんだ。
そんなジレンマを父は受け止めてくれると、心のどこかで信じていたが、私は浅はかだったらしい。
父だって毎日必死で、自分のことで精一杯だったのかもしれない。
だから、こんな私につきあいきれるほどの余裕なんてなかった。
分かっている。
全部分かっているんだ。
でも。……