甘々極上不良彼氏
俺はこの時気がついた。
俺は…麗香が好きだ…。
自覚するのに時間はあまりかからなかった。
それほど、こいつへの気持ちが強いからだとおもう。
けど――…
兄貴への裏切りになるんじゃないのか?
兄貴は亡くなった今も絶対麗香の事想ってる。
麗香も兄貴の事想ってる。
俺の入り込む隙間はねぇ。
自覚したら自覚したで色々大変だな…。
俺と麗香は一言も話さずに兄貴の墓の前についた。
『咲哉……』
麗香がボソッと小さい声で言った。
次の瞬間―……
「うっ……あぁっ…さっくや…………」
麗香はしゃがみこみながら泣き始めた。