文七さんは正面に座るとコーヒーを無言で飲み続けた。



気まずい雰囲気が流れた
「は、初めまして新人観測者の宇宙人です。えーと名前はまだありません」



文七は名前がないのに驚いたのか、ぴたっとコーヒーを飲む手がとまった


「『観測者』は何のために地球人を観察するかわかるか?」



私は無言で首を横に振った。



「今現在、地球には多くの宇宙人が来ている。それは地球の豊富な資源と環境に目をつけたからだ。」



文七は煙草に火をつけてまた話始めた。



「今から約100年前ある好戦種族が武力で地球を侵略しようとしたことがあった。しかし、それを止めた者がいた。その者を地球人の未知数の可能性に惹かれたんだ。協議の結果地球を中立地とすることが暫定できまったんだ。」




「観測者は地球人の生態を明らかにし、その価値を協議会に報告するのが仕事だ。お前の報告ひとつで地球人が消されることもありえる」



文七はそう言い残すとコーヒーを飲み干さずに店の奥に入った
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