青
不思議だ……
なんで会ったばかりの女の子とラーメン食べてるんだろ
「へい!お待ち味噌2つね、カップルさん」
……なんて空気の読めない地球人だ……
しかもなんだ!?
そのこっそり突き上げた親指は…
気まずくて彼女のほうが余計見れない
ズ、ズズーズー…
「お、おいしいですね。ははは…」
私はそういうと彼女のほうをチラっと見た
彼女は目を伏せたまま真っ赤な顔をしながら小さく頷いた。
「…あ、あなた名前は?」
どうにか彼女が絞り出した会話が極限にきごちない。
「私は、私はまだ名前がありません。探してるところです…すいません」
彼女は箸を止めて私をじっっと見つめた。
私は彼女の綺麗な顔と後ろの壁まで届きそうな真っ直ぐな瞳に息を呑んだ
「んー、じゃあ…あなたは今日から『翔太』よ!素敵な名前でしょ?
由来はね〜私の好きな歌手が清水翔太っていうから………………
彼女はずっと話した。
取り留めのないことをずらずら息継ぎさえ忘れそうなくらい話した。
私はほとんど覚えていなかった。
彼女の笑顔をいつの間にか吸い込まれたから。
…………ちょっと!おーい!聞いてる翔太?でね、そのバイト先の店長がさ本当に小心者でさぁ」
(ありがとう、ありがとう名前をくれて……)
「私の名前は翔太。君の名前は?」