ショコラトリー
「ショコラ」


 沈黙を破るのはいつもクヴェル。
ショコラが顔を上げると、クヴェルがこう言いました。


「このお店の休みがいつか、聞いてもいいかな?」


『あ、水曜と日曜が休日です。』


「そう。それじゃあ、ショコラの予定も聞いてもいいかな?」


 ショコラはクヴェルの言っている事が呑み込めずにいました。


『そんな事を聞いて、どうするんですか?』


「君に見せたい物があってね? よかったら僕のために1日開けてくれないかな?
もちろん、無理にとは言わないけど。」


『あの…』


「返事はいつでもいいから。」


 それだけ言うと、クヴェルは帰っていきました。
 ショコラは今すぐ追いかけて、もちろんです!告げたい気分でしたが、お客様がいたため、帰っていく背中を見つめるしかできませんでした。


『お待たせしてすみません。』


「いかなくてよかったの?」


 常連のおばあちゃんがショコラに問いかけました。


「私ならいつまでも待っててあげるわよ?
なんなら、少しの間レジを変わってあげましょうか!?」


 そう言ってくれたのを断り、頼まれたデキュスタシオンチョコを渡しました。

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