ショコラトリー
翌朝も同じ時間に起き、チョコレート作りに取りかかりました。
溶かしたチョコレートをテンパリングし、型に流し込んだり、マカロンを焼いたりと、そんな慌ただしいこの時間が、唯一何も考えないでいられる大切な時間なのです。
口元に微笑みを浮かべ、一つ一つ丁寧に心を込め作るチョコは、毎日違う表情を見せ、一つとして同じ形をしていません。
周りから見れば、きれいに整ったチョコレートでもショコラに違って見えるのです。
今日はどんなチョコレートにしようかしら?と考えるとき、ショコラはいつも楽しそうな顔をしています。
この間考えたチョコレートは、スタッフに好評でした。
いつもの時間にopenの札を返し、毎日違う曲を流す。
いつもと同じ慌ただしい人々を眺め、クヴェルが来るのをドキドキしながら待っていました。
チリンチリン♪
ドアベルの音に時計に目を移しました。
いつもより早いクヴェルの登場に驚きながら、少し遅れて言葉を掛けました。
『いらっしゃいませ』
「やあ、ショコラ。」
『おはようクヴェル。』
いつもと変わらぬ挨拶を交わすと、跳ね上がる鼓動を抑えながら、いつもより早い訳を聞いてみました。
『今日は、いつもより早いんですね?』
「ああ、昨日の返事が気になってね。
今日のオススメは?」
爽やかな笑顔を向けられ、しどろもどろになりながら、新作のボンボンショコラをクヴェルに渡しました。
「ありがとう。」
デキュスタシオン(試食)を済ませたクヴェルは、笑顔で同じ物を購入しました。
「昨日の返事、考えてくれたかな?」
『あ、はい。』
ショコラは今にも飛び出しそうな鼓動を抑え、ショーケースを眺め返事をしました。
『本当は、昨日お返事をしたかったのですが……』
ショコラは深呼吸をし『お時間、空けておきます。』と精一杯微笑みました。
「よかった。
それじゃあ、明日でもいいかな?」
『……少し、待っててください。』
ショコラはクヴェルを待たせ、奥へと入って行きました。
カレンダーとにらめっこし、予定を確認すると再びクヴェルの元へ戻り『大丈夫です』と返事をしました。
「それじゃあ、明日の朝9時に迎えに来るから、オシャレして待っててね」
クヴェルは上機嫌で店を後にしました。
クヴェルが居なくなったお店では、ショコラが喜びを抑えていました。
裏では、話を聞いていた従業員が嬉しそうに笑っています。
と、そこに、お客様が入って来ました。
今日も忙しくなりそうです。
溶かしたチョコレートをテンパリングし、型に流し込んだり、マカロンを焼いたりと、そんな慌ただしいこの時間が、唯一何も考えないでいられる大切な時間なのです。
口元に微笑みを浮かべ、一つ一つ丁寧に心を込め作るチョコは、毎日違う表情を見せ、一つとして同じ形をしていません。
周りから見れば、きれいに整ったチョコレートでもショコラに違って見えるのです。
今日はどんなチョコレートにしようかしら?と考えるとき、ショコラはいつも楽しそうな顔をしています。
この間考えたチョコレートは、スタッフに好評でした。
いつもの時間にopenの札を返し、毎日違う曲を流す。
いつもと同じ慌ただしい人々を眺め、クヴェルが来るのをドキドキしながら待っていました。
チリンチリン♪
ドアベルの音に時計に目を移しました。
いつもより早いクヴェルの登場に驚きながら、少し遅れて言葉を掛けました。
『いらっしゃいませ』
「やあ、ショコラ。」
『おはようクヴェル。』
いつもと変わらぬ挨拶を交わすと、跳ね上がる鼓動を抑えながら、いつもより早い訳を聞いてみました。
『今日は、いつもより早いんですね?』
「ああ、昨日の返事が気になってね。
今日のオススメは?」
爽やかな笑顔を向けられ、しどろもどろになりながら、新作のボンボンショコラをクヴェルに渡しました。
「ありがとう。」
デキュスタシオン(試食)を済ませたクヴェルは、笑顔で同じ物を購入しました。
「昨日の返事、考えてくれたかな?」
『あ、はい。』
ショコラは今にも飛び出しそうな鼓動を抑え、ショーケースを眺め返事をしました。
『本当は、昨日お返事をしたかったのですが……』
ショコラは深呼吸をし『お時間、空けておきます。』と精一杯微笑みました。
「よかった。
それじゃあ、明日でもいいかな?」
『……少し、待っててください。』
ショコラはクヴェルを待たせ、奥へと入って行きました。
カレンダーとにらめっこし、予定を確認すると再びクヴェルの元へ戻り『大丈夫です』と返事をしました。
「それじゃあ、明日の朝9時に迎えに来るから、オシャレして待っててね」
クヴェルは上機嫌で店を後にしました。
クヴェルが居なくなったお店では、ショコラが喜びを抑えていました。
裏では、話を聞いていた従業員が嬉しそうに笑っています。
と、そこに、お客様が入って来ました。
今日も忙しくなりそうです。