ショコラトリー
 ドアに鍵を掛け、クヴェルの少し後ろを歩きます


「今日は素晴らしい1日になりそうだ。」


 クヴェルの言葉に、ショコラは(私もです)と心の中で呟くのでした。


『今日はどこへ連れて行ってくれるんですか?』


「どこに行きたい?」


『それじゃあ、昨日言ってた、私に見せたいものがある所に…』


「んーそれにはまだ時間があるなぁ。
ところでショコラ、朝食は?」


『それが、バタバタして食べる暇がなくて…』


「それじゃあ、近くのパン屋でパン・オ・ショコラでも買って食べようか。僕も朝食を抜いてきたんだ」


『そうなんですか?』


「ええ、一緒に食べようと思ってね」


 いつの間にか並んで歩いていたショコラは、クヴェルの笑みに胸が高鳴りました。
 パン屋さんでパン・オ・ショコラを買うと、そのまま食べ始めました。
 もちろん歩きながら、クヴェルしか知らない場所に向かって。


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