ショコラトリー
 色々な場所を見て歩いてるうちに緊張が解け、ショコラの顔には自然と笑みが浮かんでいました。
 クヴェルの話に耳を傾け、時々質問をし、一緒に笑っている今がずっと続けばいいのに。
 そう思ったショコラは、いずれ訪れるサヨナラを考え胸が切なくなりました。


「ショコラ大丈夫?」


『えぇ、大丈夫よ?どうして?』


「なんだか寂しそうだから。
何か悩みでも?」


『いえ、今があまりに幸せ過ぎて、お別れが辛くなりそうだなって……
ごめんなさい。せっかくの楽しい雰囲気が台無しね』


「そうですね、確かに別れが辛くなりそうだ。」


 クヴェルは小さく微笑むと、腕時計を見ます。


「もうお昼時か……今日は何時もより時間が過ぎるのが早いな…
 お昼どうします?なにか食べたい物があったら言ってください」


 ショコラはクヴェルの優しさを感じながら、普段クヴェルが食べてる物を食べてみたいと申し出ました。
 クヴェルは驚きながらも、快くOKしてくれました。
 お昼も夕食もすべてfairyで作り食べているショコラにとって、クヴェルの食べているものはどれも興味をそそられるものでした。

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