ショコラトリー

†A red diary

 それからどのくらいの月日が経ったのか、毎日書いていたフェアリー達への報告もお店が忙しくなるにつれ疎かになり、いつの間にか書かなくなっていました。
 久しぶりに開いたノートには、フェアリー達からのメッセージで終わっていました。


『元気かな?』


 ふと懐かしくなり、ノートに書き込んでみたものの、翌日になっても返事が来ることはありませんでした。
 そして、いつしかそのノートは、ただの赤い日記帳に変わってしまいました。
 でもショコラは、知っています。
 フェアリー達が今でもチョコレートにのせて運んでくる幸せに、羽根を羽ばたかせ喜んでいることを。


 ショコラのお店Fairyは「その日の気分で味が変わる不思議なショコラトリーなんだって!」
 ふとそんなことを風の噂で聞いたショコラは、そのエピソードをクヴェルに話しました。


 きっと、アナタの元にも見えないフェアリーが最後の仕上げをしてるかも?


『今日はどんな仕上げをするのかしら?』





END
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