ショコラトリー
月日は流れ、ショコラは祖母にこのお店を譲り受けました。
大人になるに連れ、自分達の姿が見えなくなっている事を知ったフェアリーは、消える前にある物をショコラに渡しました。


「ショコラがおばあちゃんになっても見えるよう、呪いをしておいたわ。これであなたとずっとお話が出来る。」


渡されたのは、一冊のノート。
開くと、そこにはフェアリー達が拾い集めた様々なお話しが書かれてありました。


『あ、私あなた達の書いた文字が読める…』


「言ったでしょう?ある呪いをした。って
これはあなたにしか読めないようになっているわ」

『そう…』


ショコラは返事をしながら、ノートに目を向けました。
しばらく眺めた後、ショコラは2人に礼を言い、代わりに名前を授けました。


『青い服のあなたは…、ココア!』


ブロンドの髪をてっぺんでお団子にし、ポンチョを被るココアは、初めて与えられた名前に、目をキラキラ輝かせ喜びました。


『きれいな黒髪のあなたは、そうね…マシュマロ!ココアにマシュマロを入れると、とっても甘くなるのよ!?
あなた達みたいに相性もいいしね』


その言葉を聞いて、ますます輝きを増したフェアリーは、小さな羽根を羽ばたかせ、ショコラの周りを飛び回りました。


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