君想い



右手には弥生の手、左手にはりんご飴。



わたがしを持つ手は残ってない。




「弥生の左手、空いてるから。」




と、あたしは意地悪く笑った。



弥生はあきれていた。



りんご飴もわたがしも食べ終わり、神社の裏で休憩することにした。




「…やっぱ人混みは苦手だ…。」




弥生は疲れたような声を出した。




「じゃあ、何で祭りに来ようなんて言ったのよ。」




あたしは笑って言った。
< 38 / 89 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop