GENERATION!!〜双子座星の軌跡〜2
「リュウ、その子にとって、頼れるのはリュウだけなのよ。」


今まで黙って見ていたジュンが声をかける。


「リュウが迷ったら、護ることを止めたら、その子は本当にひとりぼっち。」

ジュンの脳裏には、フィルの姿が浮かんでいた。

リュウはジュンの言葉を素直に聞いていた。
少し、うつむきながら。

「リュウだけじゃない。一人で抱えて意地張らないで?ね。」


ジュンはリュウに手のひらを差し出した。

リュウは口の端だけ笑うとその手にそっと卵を載せた。


「そう…だな。気をつける。」


ヒナとこうは顔を見合わせ、微笑みあった。
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