GENERATION!!〜双子座星の軌跡〜2
『主らが集い、この世界に招かれたこと。
それも運命の輪廻なのだろう。
我も願い、従おう。』


宝珠はヒナとこうを真っ直ぐに見つめると、目を閉じ、両手を差し出す。
その手からは水が流れるように虹色に輝く光を零し、ヒナの持つ本へと流れる。


「くれるの?宝珠の力…」
『主らなら、まだ始まらぬ主なら。
この世界の在るべき道を…始まってしまった悪夢を覚ますことができるかもしれぬ』

宝珠はその体を泉にとかしながら、消える間際にヒナに語り掛けた。
切なげなその声はヒナの心になぜか重く響いた。

『2人……悲しき悪夢の輪廻を解いてあげなさい』

「誰……のこと?」


宝珠は腕を広げ、泉と一体となり、その姿を消した。

宝珠の本は、まだ鈍く光を放っていた。
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