GENERATION!!〜双子座星の軌跡〜2
〜動けなかった……
呼び止められなかった…
ううん、呼び止めたくなかった……?〜


ヒナはヒナラを見送りながら、思いで溢れそうな胸を押さえていた。

〜もう1人の……私?〜

その、少し寂しげにも見える、まっすぐで凛とした背を見守り、ヒナは自分の手のひらをみる


〜宝珠を…探す。
今わかる、私の役目…

でも、なんのため?

この世界がそれで変わるの?

もう1人の私のヒナラは宝珠を護る…

私の宝珠を探すこととは違うの?…〜


「……今は、いいんじゃない?受け入れられなくて。」

声をかけたのはジュンだった。
ヒナラの消えた路地を見たまま動かないヒナの気持ちを察したのだろう


「………ジュン?」

「ヒナはヒナじゃない。宝珠やこの世界のことだって、ここにきて、まだ1ヶ月少し。
少しずつ、わかっていけばいいよ。」


「ありがと。ジュン。」

ヒナはジュンに笑いかけ、こうに視線を向けた
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