GENERATION!!〜双子座星の軌跡〜2
「オレが、この場にきたのは…」

~簡単じゃねぇか…~

こうは握りしめていたその掌を
ゆっくりと開く。

掌に幼き日の光景を映し出すよう
に見つめながら、
たった今やっと掴んだ思いを確か
めるように言葉を紡ぐ。


「オレは奴らに構うためにここに来たんじゃない。

宝珠も、闇もサマルも関係ない。

オレが、ここに来たのはあいつを、ヒナを守ってやれるだけの力を…そのための力が必要だからだ。」

~だから…~

「デスター!!
頼む。お前の力で、お前のこの剣で。
あいつを守ってやれるだけの力を貸してくれ!
このままじゃ…
悔しいけど今のオレじゃどうすることもできないんだよ。」

こうは自分でも驚くくらい真剣な気持ちを聖龍剣に宿りしデスターに向けて語りかけた。


沈黙。


数秒の沈黙が今のこうには何時間にも感じた。
答えを得ることができず、疲労と、冷や汗、手足の痛みのみがこうに剣を使うためのリスクとしてのし掛かる。

「…デスター…頼む。
オレじゃこの剣は使えないってことか?」


~こんな状態じゃ…~




『……お前は…逆さまなのだな…』

微かに、澄んだ声がこうの耳元を揺らした。




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