GENERATION！！〜双子座星の軌跡〜２

第五章〜禁断の宝珠〜

雨とジュンと。

……雨。


シトシト降る冷たい雨…

私は雨が嫌い。


あの日も…雨が降っていた。


シトシト…


雨が…




｢ジュン！！｣

｢！！キャア！！｣

顔をあげるとそこには驚いた顔のヒナ達がいた。
｢………どうしたんだ？｣
リュウがボソっと呟くように声をかけた。

｢あっ！なんでもないのっ。考え事して…｣
｢あ！もしかして、宝珠が言ってた鍵のこと！？｣
｢マジ！！それで！｣


｢…………違う……｣
身を乗り出すように問いかけるヒナとこうに苦笑いして逃げながら、ジュンはまた景色に思いを馳せる。



〜ここは…この近くに私の故郷が…あった…〜

ついさっき降ってきた雨を空と共に見上げる。


｢雨は…きらい。｣


｢やだよね〜髪は濡れるし、服はビショビショ。あ！なんか街見えてきたよ！！｣

ジュンの憂鬱にも気付かずヒナは明るく見えてきた街を指す。


｢……『魔法使いの街』…か。｣

リュウがジュンを振り向きながら言う。
｢！？｣
｢そうだろ？本部がある。宝珠の鍵の情報もあるんじゃないか？｣


〜見透かされたかと思った〜


｢そうね！行きましょ！｣
ジュンは平静を装い歩き出す。重い胸を抱えながら。