GENERATION！！〜双子座星の軌跡〜２

｢ヒナ……｣
ジュンはただ、ヒナを見ていた。


〜こんな…ついさっきこの世界に来たばかりのこの子が？
私は…私は…この世界のこと、考えたことがあった？…〜



｢待てよ。俺たちがか？いいのかよ？
帰るんじゃないのか？
あの変な女神かなんかの思うツボじゃないのかよ｣

こうが釘を指す。
しかしヒナはこうの叫ぶような言葉とは反対に穏やかに話し出す。

｢私ね、夢があったの。こう、覚えてる？
本当に小さい頃、絵本作家のおばあちゃんが話してくれたおとぎ話。｣

こうは、ヒナの急な問いに驚きながらもうなづく。

｢急にどうしたんだよ。まあ…書庫にいくと必ずおまえのばーさんがいて話してくれたな。｣


｢勇者が出てきて、お姫様を救ったり、悪者を倒して、みんなに慕われたり……
必ず物語はハッピーエンドで終わるの。｣

｢…………。｣

｢私は。私の夢はね。笑っちゃうけど、英雄になることだった。おばあちゃんが描いたおとぎ話のヒーローみたいに。
私のこの光力で！｣

ヒナはそう言いながらその力を確かめるように強くこぶしをにぎっていた。

｢ヒナ…。｣


｢でも、でもね。この世界は違う。現実は違った。ハッピーエンドだけじゃない気がするの｣


｢だから、知りたいの！私に何ができるか。英雄じゃなくてもいい。
私に出来ることもっと知りたいのよ！｣

｢ヒナ。オレは…｣
こうが何か言いかけたその言葉を遮るようにリュウが話し出す。

｢過去を知る…か。
…真実を語る宝珠…知りたければ知ればいい。この世界の現実とおまえの甘さをな。｣