GENERATION!!〜双子座星の軌跡〜2
光は本に吸い込まれ、自然とパタンと閉じる。

「あれ?あんたは消えないの?」


いつもはその直後に本の中に消えるはずの宝珠であるデスターはまだ目の前にいた。

『…それより、あいつら解放してあげなよ。ボクが遊んだ村人たち。』

「あ!!そだ!村人たち!やっぱりあんただったのね!」

一瞬、デスターをキッと睨みつけるとヒナはすぐに手に入れたばかりの宝珠の詠唱を始める。


『……それと、にーちゃん。』

「あ?」

『力……欲しいんでしょ?』

「!?なんだよ。」

『古に伝わる剣。にーちゅん次第だよ。』

デスターが薄く笑うと鍵は小さく揺れた。

「おまえ……」

こうは揺れた鍵を拳で強く握った。
「力………」

『光芒に揺らめき、虚ろなる空間に繋がれし、其よ。楔を裁ちきり、真なる蒼空へと解き放て!!影のデスター!!』

その瞬間。ヒナの詠唱が完成し辺り一面が光り輝いた。


「おおっ!帰ってきたぞ」
「なんだったんだ」
「助かったぞ!」

「よかった。」
ジュンは嬉しそうにその様子を眺めた。

村人の笑顔や歓声の中、デスターの姿は風のように消えていた。
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