GENERATION！！〜双子座星の軌跡〜２

嘘と思い出

『これはおまえの闇の魔質を隠すための封印具なんだよ！』

｢！！！｣

〜うそ…だって、この帽子は…〜



……………………………

｢ジュン！｣

｢あ、フィル姉！｣

幼い、まだ１０歳にも満たないジュンが丘の上でいつものように魔法を放っていた。

｢……また、やったのね…｣

ため息をつく、フィルと呼ばれた女性は、背の高い、凛とした女性だった。
赤紫の長い髪に濃い紫のローブを纏い、気品さえ感じる振る舞いでジュンのそばへ歩み寄る。


まだ、加減も上手くできないジュンの魔法は、あちこちに飛び火し、辺りを焦げ付かせ、地にはクレーターさえできていた。

フィルはその中の一つの黒い煙りをあげる跡に一瞬顔をしかめる。

〜やはり………〜


｢う〜ん。フィル姉みたいに癒やしの魔法を練習してたんだけど…｣

ジュンは憧れの師に今日も会えたことと自分の失敗に頬を赤らめた。


フィルはその言葉に顔を曇らせたがすぐにジュンに向き直る。


｢すぐ…すぐできるようになるわよ。｣

｢本当に？｣

｢ええ。｣

｢そうかな〜｣

｢じゃあ、明日。明日必ず良いことがあるから楽しみにしていて。｣