GENERATION！！〜双子座星の軌跡〜２
｢……できた。｣

フィルが顔を上げた時、あたりはすっかり暗く、夜の闇が舞い降りていた。

フィルの手に大切そうに握られているのは、赤いリボンの付いた白い帽子。

リボンには不思議な文字が刻まれている。

｢…これがあれば…。｣

〜あなたを守れるかもしれない…〜

フィルは帽子を持ったまま外の空気を吸おうとドアを開ける。


｢…………え？……｣

思わず目を疑い立ちすくむフィル。

なぜなら村から程遠いその家から見えたのは…


ザアザアという雨に混じり、村の黒い煙りと赤々とした炎だったからだ。


｢大変…だ！！｣

家の裏から飛び出してきたのは見知っている村の住人。
だが、その体は傷を負い、今すぐに癒さなければならない緊迫した状態だった。


｢どうしたの！？｣

反射的に術をかけようと駆け寄るフィルにその男は手で制して話し始める

｢村が……魔…狩りとやらが魔法使いを片っ端から狩ってやがる。このままじゃ、…全員…｣

そこまで言うと男は気を失い、倒れ込んだ。

フィルの体はその言葉に凍り付いていた。

〜魔狩り…ジュンの闇に気付いたら奴らは必ず利用する…
そんなこと…！〜


フィルは持っていた帽子をいっそう強く抱いた。

男に応急的な癒やしの術を素早くかけ、フィルは赤々と燃える村に向かって走り出した。
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