GENERATION！！〜双子座星の軌跡〜２

心の闇､心の光

……………………………


｢私が……フィルを……？｣


ジュンの手から滑り落ちた帽子はその足元に悲しげに揺れた。


『そうだ。俺たちもおまえの魔力の巨大さには恐れ入ったよ。
おまえの大洪水はすべてを飲み込んでしまったからな。離脱することで精一杯。』


｢うそ…………｣

『この何年も、おまえは俺たちが村を壊滅したと触れ回り、復讐だと、宝珠を探し回っていたらしいがな…』


｢宝……珠……？｣

ジュンはその瞬間、時の宝珠に拒絶されたあの場面が頭をよぎった。


【…持っていようとも、おまえに宝珠の力を渡すことはできぬ。】


『闇に染まり、自分の手で村を消滅させたおまえに宝珠が微笑むことはないんだよ！！』


｢………っ！…｣



カラン………

ジュンが自らの杖を地に落としてしまったその瞬間、

ブワッ！！

魔狩りが幾重にも闇の楔を放ち、ジュンを捕らえた。

しかし、ジュンにそれを解く気力も意志も魔力も …残っていなかった。