GENERATION!!〜双子座星の軌跡〜2
『えっ!!』


そこに現れたのは、蒼空を覆い尽くし、小さなリュウなど、一瞬で吹き飛ばしてしまいそうな
大きな白い龍の姿だった。



『あっ!待ってよ!』

その巨大な龍の爪に影は捕まり、空高く舞い上がった

『リュウ!!待っているぞ!
その子と共に…
頼んだぞ』


『待って!!父さん!』
巨大な龍は小さなリュウに背を向け、蒼空へと飛び立ってしまった。

遠くの空に影が見えなくなるまで、小さなリュウは蒼空を見上げている。
その胸に小さな卵を抱えて。





……………………………


「…………バカバカしい…」

街から離れ、山の中のひときわ高い木の上で休んでいたリュウが顔を上げる。


「あんな記憶……消えてしまえばいい…」

吐き捨てるように言葉を呟き、傍らの卵を見やる。

「……………」


あの時のまま、それだけが不変なモノであった。

〜俺は…いつになったらこいつを…〜


「リュウ〜!!そろそろ起きた〜?」
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