GENERATION!!〜双子座星の軌跡〜2
谷は、出発して一時間もたたないうちにリュウの眼前にみえてきた。

たくさんの木々に覆われ、その隙間からは深い谷に川が流れる様子が見える。
その先には切り立った崖が円形に続き、まるでその地のみが世界の片隅に切り出されてしまったかのようだ。

その周囲には奇妙に光る塵が浮遊している。

「………なんだ…あれは」
塵に気付き、気には止めたが、リュウは泉を探すことに専念した。


ゲルドの高度を下げ、周囲を旋回する。
しかし、木々が邪魔をし、空からでは泉と川の区別もつかず、探すのに困難であった。


しかたなく、リュウは地上に降りての散策をすることにした。


ゲルドを見通しのよい谷の上に残すと、森に向かい、歩き始めた。

「………本当に1人は久しぶりだな…
やけに静かだ。」
そうつぶやいた自分に微笑しながら、辺りを見回す。
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