破った写真
PARTー1ー
見たこともない景色が広がる駅に降り立った。
私鉄とJRを乗り継いで、何時間もかけてきたその場所は、俺を優しそうに迎え入れる。
コンクリートの上をひきずるように歩いていると、海風が鼻を突っついて、なんとも言えない匂いがした。
これは、良い匂いなのか。はたまた害するものなのか。
尖った高い鼻をこすると、いくらかマシになったように思える。