破った写真
「・・・・・・あのね。」
彼女は俺に短い吐息を吹きかけて、さらに哀愁を漂わせながら体を寄せる。
余分についた胸を俺にくっつけて、誘惑してるつもり。
まだ彼女は、間違いには気付かない。
「・・・・・・わたしと、」
急いで彼女の口を塞いだ。
彼女はもがもがと口を動かし、少し不機嫌になる。
言葉は要らない。いい意味でも、悪い意味でも。
「・・・帰ろっか!」
俺は立ち上がると、ケツについた砂を遠慮がちに払った。
腕が伸びる。
彼女は俺の手をぐいと引っ張ると、無言で俺の目をじっくりと見た。