破った写真
PARTー2ー
大学四年の夏、俺には彼女がいた。
美人で愛想良く、誰よりも好かれる人だった。
俺ももちろんその中の1人で、美人だからという理由で好きになっていたのだろう。
ねぇ、と声をかけると、はい、と育ちの良さそうな笑顔で返事をかえす。
思っていた以上に言葉が詰まり、スムーズに事が進まない。
「あのさ・・・」
と、緊張丸見えなガチガチな声を吐き出すと、「付き合ってほしいんだけど!」露わに言ってみた。