愛してあげる!


***





「妃那ちゃーんッ!!」



校門に立っていると、遠くからあたしの名前を呼ぶ声が聞こえた。

ふ、と顔をあげると、校門から走ってくる一人の男の子の姿。

明るいオレンジの髪と、左右に2つずつつけられた派手なピアス。

それなりに整った顔立ちをしていて、性格はすごく人懐っこい。

拓巳のクラスメートで、名前は確か・・・



「あ、えーっと・・・・・・和也君?」



首を傾げながら問いかける。

彼はあたしの傍で「当たり!」と言いながら、丸い目を細めてへへっと笑った。



「嬉しいな、妃那ちゃんに覚えて貰えて」

「いつも和也君(の髪の毛が派手すぎて)見ちゃうから覚えちゃうよ」



ふふっと、微笑みながら和也君の顔を覗き込むと彼はほんの少し赤くなった。

うん、中々素直な反応でよろしい。

そういえば、和也君もかっこいいんだよな-。

その上今のところまだあんまり接点ないし。

・・・だんだんあたしの心の奥に芽生えるのは、イタズラ心。

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