愛してあげる!
あたしがそのままじーっと彼の瞳を見つめていると、誤魔化すように視線を逸らしながら彼は「拓巳?」と聞いてきた。
「うん、和也君が来たってことは・・・HR終わったの?」
「あぁ。でもアイツ今日授業中居眠りしてたせいで今日は反省文」
「えーっ」
じゃぁ、まだ時間掛かるってこと?
クックッと楽しそうに笑う和也君と対照的にあたしは肩を落とす。
今日は駅前の美味しいケーキ屋さんでカップル割引があったからアイツ連れてって奢らせようと思ったのになぁ・・・。
もうすでに結構待ってるから、疲れちゃったし。
───こうなったら。
「ねぇ、和也君」
奢ってもらえなくても、ケーキだけでも食べたい!
ということでターゲットを変更するあたし。
一歩だけ近付いて、下からじっと彼を見上げる。
「え?な・・・何?」
「お願いがあるの」
じーっと更に穴が開くほど和也君を見つめる。
あからさまに“どぎまぎ”とした様子をした和也君に、あたしは更に詰め寄った。
「───あのね、ちょっと付き合ってほしいんだけど・・・お願い聞いてくれる?」