愛してあげる!
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「で、まんまと奢らせたわけか」
「そんな言い方ないでしょ!あたしだって遠慮したんだからー」
大体、反省文なんて書くハメになってる拓巳が悪い!
そう言うと、拓巳は呆れたように肩を竦める。
けれど、すぐに「そうか」と考えるように腕を組んだ。
「?」
「考えてみりゃ、俺の代わりに妃那の餌食になってくれたんだから・・・感謝すべきだよな、あいつにも」
「だからそういう言い方しないでよ!」
もう!と言いながら頬を膨らます。
と、突然間に割り込む声。
「すいません、お会計・・・」
「あ、はぁーい。おいくらですかぁ?」
いっけない、拓巳との口げんかに集中しちゃって今露店のアイス屋さんに並んでたの忘れてた。
困ったように口を挟んできた店員のおじさん。
怒られるのが嫌だから、ちょっと眉を下げておじさんの顔を覗き込む。
「───お嬢ちゃん可愛いからおまけしちゃおうかなぁ」
「え?ホントですか? 嬉しいッ!!」
可愛く見せるためには、大げさなくらいの動きをするのが一番。
ついでに敬語の中にタメ口を混ぜるのも効果絶大。
予想通り目尻を下げながら割引してくれるおじさん。
うーん、上手く行き過ぎて怖いかも。
(って、今のはあんまり狙ってなかったけどね!)
二人分のアイスクリームにたった1枚だけ小銭を渡し、
あたしは満足気に「また来ますね」と手を振った。