愛してあげる!
予想通りの答えすぎて逆にすんなりと受け入れ、大きく頷く。
当たり前だ。
妃那が恋愛していたら、俺が知らないわけがない。
妃那は突然にベッドから起き上がると「あのね」と俺の隣に座った。
「アンケート答えて、あたし大変なことに気づいたんだ」
「うん?」
「あたし、本気の恋愛したことない!」
アンケートは『彼氏はいますか?』とか『恋はしていますか?』とか簡単なものだったようで、それでも妃那解答は、ほぼすべてが『いいえ』
あまつさえ『初恋はいつですか?』に『まだない』
『彼氏がいない歴は現在どのくらいですか?』に『年齢』
思わず苦笑してしまった、と妃那はまた苦笑した。
「しかも、アンケートのお兄さんたらあたしの解答とあたしの顔を何度も見比べたんだよ!正直者すぎる」
ケラケラと笑い飛ばす妃那に、「何を今更」と呆れを示した。
そのリアクションに、妃那は目を見開く。
え?俺、驚かせるようなこと言ったか?
「拓巳知ってたの!?」
「妃那自覚なかったの?」
疑問に疑問を返すと「うぐ」と詰まる妃那。
「なんだよ、こいつ天然なのか・・・?」
こいつの魔性や悪魔っぷりはまさかの計算なしなのか?
計算なしの部分がまだあったのか?
思わず声に出してしまうが、
「え?なんか言った?」
「何も言ってねぇよ」
妃那には聞き取れなかったようだった。
聞き返されたけれど、俺はそれをごまかすように笑った。
そのまま聞くなオーラを出すと、彼女はちょっと不思議そうにしてはいたけれどそれでも話をスルーした。