愛してあげる!
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「あはははははッ、そんなことになってたんだ!いやぁ、男の子って単純だねぇ」
目の前でヒィヒィ言いながら涙を流す女に、俺はがっくりと肩を落とす。
「お前なぁ・・・俺危うく殺されかけたんだぞ?」
「別にあたし、自分の下着の色言ってなんて頼んでないし?
むしろ勝手に公開されて恥ずかしいぐらいよ」
「何言ってやがる」
朝会った瞬間、笑顔で「今日の下着黒だからね?」と言ったのはどこのどいつだ。
きゃ、とわざとらしく両手を両頬に当てるこの女に容赦はしない。
床にあるクッションに座りながら、プラスチック製の二股の棒の先に小さな丸い物体がついたモンで顔をごろごろやってるヤツは、傷ついた様子すら見せやしない。
(ちなみにその変なおもちゃみたいなもんは小顔ローラーと言うらしい)
「どうせ学校の行動だって計算だろ?」
「人聞き悪いなぁ。いくらあたしでも、風までは動かせないよ」
だからと言って髪押さえてる手とスカートを押さえてる手があったとき、
わざわざスカートから手を離すやつが何人いることやら。
上手い具合に風が吹くのは、コイツの恐るべき強運だろう。
「ま、予想通りに拓巳が動いてくれたから楽しい話題も出来たし、許してあげる」
にーっこり。
そんな効果音をつけた笑顔を見せるこの女に、俺はやっぱり敵わない。