恋愛小説家のススメ!
先輩は相槌をうちながら、聞いてくれた。

そして私は話終わった後、すっかりぬるくなったコーヒーを飲んだ。

「…以上です。先輩、どうしたら良いと思います?」

「う~ん…。まず恋愛小説のことですけど。まだ続けるつもりですか?」

「書くのは好きです。できれば続けたいんですけど、これ以上の人気は…」

できれば防ぎたい。

「…うん。里桜クンは恋愛経験が無いことを欠点に思っているようですが、別に構わないんじゃないんですか?」

「でも…作り物ですよ? 全く現実が無いんです」

「それで良いじゃないですか」

先輩はオレンジジュースを飲んで、笑顔を浮かべた。

「ボク達の好きなゲームだって、所詮は作り物です。現実なんて全く無いんですよ? でも気にせず、ボク達は楽しんでいる」

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