恋愛小説家のススメ!
部屋はバイトから帰ってきて、すぐに片付けたが…。

「…何だか慌てた感が残っていますね」

床に散らばっていた本やらゲームを、重ねて部屋の隅に置いてあるだけなので、先輩が失笑するのもムリはない。

「すみません。急ぎだったもので。まあ部屋のことはどうでも良いんですけど、問題のパソコンの方をお願いします」

「はいはい」

女の子の部屋に来たというのに、先輩も顔色一つ変えず、パソコンの電源を入れた。

「―今日はパソコン、開きました?」

「朝に少し…。でもその時は一応無事だったと思います」

「ふむ…。まあ今の段階では、手荒な人もいないでしょうしね」

…CDが売り出される前だから、こんなに静かだという含みだろうな、今の言葉は。

「まあケータイの方から見てはいますが、いずれもケータイ小説家の『REN』が、『輝羅』の歌詞提供者と同じかどうかの問い合わせの方が多くて…」
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