恋愛小説家のススメ!
「そうですね。作者に恋愛経験が無く、学生だってことを分かっていましたから」

「おやおや」

私が肩を竦めるのが分かったのか、先輩は笑った。

「桂木の勘の良さには、私も目眩がしますよ」

「でもそれは里桜クン限定では? 彼、あなたにお熱でしょう?」

「アレはただ単におもしろがっているだけです! 私が普通の女の子みたいに、アイツになびかないからムキになっているだけですよ」

「まあ否定はできませんね。彼は人一倍、プライドも高いでしょうしね」

「まっ、先輩も勘の鋭さでは、桂木と良い勝負していますけど」

「あなた達よりは1年多く人生経験を積んでいますからねぇ」

…それだけじゃないだろ?

先輩と話していると時々、キツネかタヌキと話している気分になる。
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