恋愛小説家のススメ!
頭の中で、何かがカチーンと鳴った。

…別に今時の女の子らしくないことは、自覚している。

けれどコイツにだけは言われたくない!

「…私は本が好きだから。いろいろと読んで勉強しているのよ」

でもあえて作り笑顔で、応戦する。

「へ~。恋愛についても?」

「人は一人一人、考え方が違うからね」

「そうだね。キミと僕も違うしね」

「同じにしないでくれる?」

お互い不穏な空気を撒き散らしながら、笑い合う。

「せっ先輩! カウンターの方、手伝いお願いします」

見かねたのか、一年の図書委員が声をかけた。
< 14 / 127 >

この作品をシェア

pagetop