恋愛小説家のススメ!
「あっああ」

「…里桜くん?」

前から柊が怪訝な顔つきでやって来た。

「桂木会長…。二人して、どこに行くんだい?」

笑顔になるも、目が笑っていないぞ…柊。

「デートだよ。ヤボなこと聞かないでほしいな、柊」

隣の桂木からは何故か冷気がっ!?

「ほぉ…。いつの間にそんな仲に?」

「ごっ誤解だ! ただコイツの奢りで映画を見に行くだけだ!」

そう言った後、すぐに後悔した。

思わず口を手で押さえるも、柊の目は冷たくなるばかり。

「…全く。相変わらず物欲に弱いんだな」

「女の子なら、可愛いものじゃないか。里桜だって女の子なんだし」

桂木に女の子扱いされたことに、全身が拒絶反応を起こした。

…鳥肌が立ったのだ。
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