恋愛小説家のススメ!
「私までって…一蓮托生だね」

「冗談じゃないっつーの!」

手に持っていたカバンを振り回し、桂木に当てようとするも、受け止められてしまった。

「でもさ」

「何よ?」

「それだけ僕とのことを否定するってことは、やっぱり柊のことを…」

「その邪推もやめて。柊に彼女がいても、私の心は揺るがなかったの。恋愛感情が無い証拠でしょ?」

「う~ん。里桜の心って複雑だねぇ」

…それは自覚している。

「…大体、私に恋愛の話題なんてふっかけないでよ。私が恋愛経験ゼロなの、知ってるでしょう?」

「うん、すっごく知ってる」

……殴りたくなった。
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