恋愛小説家のススメ!
「欲しかったのは…主人公のヤツで…」

「よくどんなカードが出るか、知ってたわね」

「ケータイとパソコンのサイトで調べた。朝一に手に入れたヤツもいるから」

私は思わず呆れた。

「…そこの情報を知ってて、何で『お一人様一点限り』ってとこを知らなかったのよ」

「その、浮かれてて…」

「浮かれてたって、常識とマナーは守りましょうよ。ただでさえ、世間様はオタクに厳しいんだから」

ため息をつくと、私は自分の袋から主人公のカードを取り出した。

「はい、コレ」

「えっ!?」

そして彼に差し出した。

「私、個人キャラより、全員そろったのが好きだから。あげる」

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