短編集
「ここですでに遊んでるけどねー。うん、いいよ。凛は?」
「私はいいけど‥‥」
言葉を濁す凛。
何か用事でもあるのだろうか?
なら別に、無理に遊ばなくても大丈夫だから、言ってくれればいいのに。
「‥‥美紗希、今日家に一人でしょ?まずくないかなあ‥‥?」
「あ」
「?」
すっかり忘れていた。
両親がな・ぜ・か、2人だけでイギリスに行ってるため、今日から3日間は一人なのだった。
昨日の夜、急に言われて焦っていたのだが、朝になるとけろっと忘れていた。
「‥‥やっぱ遊ぶの無理だわー。親いないし」
「へえ、親いないんだー。残念」
「また今度だね」
「そだねー、残念。2人だけで遊んでてー」
「3人いなきゃつまんないでしょー。ねえ、凛」
「うん、つまんないよ」
「心の友よっ」
2人に抱きつく私。