短編集
歩みを止める。
私は顔をしかめた。
あれ?
さっき、あのおばさん確か――
『4時にたたき起こされて』
って言ってなかった?
顔から血の気が引いていくのがはっきりわかる。
だって、私が外に出たのは‥‥
2時半。
じゃあ、右隣の家のおじさんが見た女の子って言うのは――
こらえきれなくなった私は駆け出した。
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学校へ行くと、香織と凛はもう来ていた。
自分の席に行き、ランドセルを置く。
2りがこっちに来た。
「おっはよーう」
「おはよう、美紗希」
「んん‥‥おはよう」
明らかに元気がない私を見て、2人が驚く。
「どーしたのっ?」
「なんか元気ないよ?」
「いやー‥‥」
なんだか、話しづらい。