短編集

歩みを止める。

私は顔をしかめた。

あれ?

さっき、あのおばさん確か――


『4時にたたき起こされて』


って言ってなかった?

顔から血の気が引いていくのがはっきりわかる。

だって、私が外に出たのは‥‥

2時半。

じゃあ、右隣の家のおじさんが見た女の子って言うのは――

こらえきれなくなった私は駆け出した。


*********************************


学校へ行くと、香織と凛はもう来ていた。

自分の席に行き、ランドセルを置く。

2りがこっちに来た。


「おっはよーう」

「おはよう、美紗希」

「んん‥‥おはよう」


明らかに元気がない私を見て、2人が驚く。


「どーしたのっ?」

「なんか元気ないよ?」

「いやー‥‥」


なんだか、話しづらい。
< 34 / 43 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop