短編集

空色の目覚まし時計を手でたたき、ベットから起き上がる。

洋服に着替え、朝食を食べるため1階へ下りる。

ふわっといい匂いがした。

お好み焼きだ。

私の好物の。


「お母さん、お好み焼き!?」

「そうよ」


にっこり笑いながら、皿にお好み焼きを乗せるお母さん。

急いでイスに座り、お好み焼きを食べ始める私。


「あなたが欲しいって言ってた服、買ってきてあげたわよ」

「本当!?」


私が喜びの声を上げ、お礼を言おうとしたとき、


「だから今日のテスト、1位になれるよう頑張ってね」

「……!!……うん、お母さん……」


にっこり笑う私。

お礼は言わなかった。

お好み焼きを一口食べる。

ただの小麦粉の塊だ。

お母さんも、お父さんも私の成績しか見てないんだ……。


「行って来ます……」


半分も食べないうちに家を出る。

途中で2人の友達と会う。

楽しく会話をする。

心のそこからは楽しめない。

だって……。

このコ達、好きじゃない。

好きじゃないけど、しょうがなく話題を合わせ、楽しく会話をしてるように見せる。

こんな自分が嫌……。


**********************************


学校に着くと、ミュージックプレイヤーを自慢している子がいた。


「最新の奴なんだよ~っ!!ピンクで綺麗でしょ?」


周りの人たちが口々に、すごーい、見せてー、いいなあ、可愛い!!と褒めている。

なんであの子を褒めるんだろう?
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