短編集
空色の目覚まし時計を手でたたき、ベットから起き上がる。
洋服に着替え、朝食を食べるため1階へ下りる。
ふわっといい匂いがした。
お好み焼きだ。
私の好物の。
「お母さん、お好み焼き!?」
「そうよ」
にっこり笑いながら、皿にお好み焼きを乗せるお母さん。
急いでイスに座り、お好み焼きを食べ始める私。
「あなたが欲しいって言ってた服、買ってきてあげたわよ」
「本当!?」
私が喜びの声を上げ、お礼を言おうとしたとき、
「だから今日のテスト、1位になれるよう頑張ってね」
「……!!……うん、お母さん……」
にっこり笑う私。
お礼は言わなかった。
お好み焼きを一口食べる。
ただの小麦粉の塊だ。
お母さんも、お父さんも私の成績しか見てないんだ……。
「行って来ます……」
半分も食べないうちに家を出る。
途中で2人の友達と会う。
楽しく会話をする。
心のそこからは楽しめない。
だって……。
このコ達、好きじゃない。
好きじゃないけど、しょうがなく話題を合わせ、楽しく会話をしてるように見せる。
こんな自分が嫌……。
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学校に着くと、ミュージックプレイヤーを自慢している子がいた。
「最新の奴なんだよ~っ!!ピンクで綺麗でしょ?」
周りの人たちが口々に、すごーい、見せてー、いいなあ、可愛い!!と褒めている。
なんであの子を褒めるんだろう?