まーくんの部屋
起きたらテーブルに料理が置いてあって、
お腹がすいたら冷蔵庫から何でも食べてよくて、
夕食にはまーくんがご大層な料理を作ってくれる。
お風呂にも入れるし、
きれいなトイレにも行けて、
ふかふかのベットも占領している。
そして夜になっても、まーくんは仕事をしていて
セックスをすることはない。
そんな日々が、数日続いた。
ここに来るまで、私は絶対死ぬんだと思ってた。
思ってたっていうか、ここに来なければ確実に死んでた。
なのに、この変わりよう。
私は全く理解できなくて、正直苦しんでいた。
まさか、本当に錯覚の通りなのか。
まさか…
でも、もう何日もこんな日々が続いて
そんな淡い期待を持つのも自然なことのよう。
でもそう上手くはいかないと、心の中で一応ストッパーはかけておく。
そんなはずはない。
私はいつか出て行くことになる。
でも、いつ?
ここを出たら、まーくんに見捨てられたら…私はまた逆戻り。
また死に向かっていく。
私が生きるためにできることは、
何とかまーくんに見捨てられないようにすること。
今のままじゃ…
いつ出て行けと言われるか分からない。
何とかしないと。