まーくんの部屋



まーくんは仕事があるのに、帰ってきてから料理を作る。


しかも朝は私の朝食・昼食を作ってから仕事に出かける。


それは絶対に大変なはず。


よし…!!



冷蔵庫にまだ残ってる食材で、何か夕食になるものを作ろうと探す。


だが自慢じゃないけど、私は料理なんてしたことがない。



まーくんは、『明日は鯖の煮付けにする』と言っていて、


冷蔵庫にはサバが二つ並んでいた。



サバ本体があればどうにかなると思ったけど、全然そうはいかなくて。


ダシっていうか、ソース? みたいなのを作らなくてはいけないよう。


でもそんなの知らないから、まーくんのパソコンを勝手に使って調べた。



まずサバの両面に熱湯をかけるらしく、


完全に下準備なのに、その時点で失敗した。


「あ…っ」


サバの下に敷いていたトレイが薄すぎて、


支えていた左手が熱を直に受けた。


思わず手を離すと、それが全身に飛び散った。


「……。」


その光景を眺めて、こりゃダメだと思った。


でもやらなきゃと思って、ティッシュで床を拭いてまた始めた。



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