まーくんの部屋
どこに行けばいいのかなんて、全く分からない。
だから、とりあえず人の流れに乗って、知らない場所に運んでもらった。
頭の中にまだ残っている、遠い人の声。
それからただ逃げたくて、こんなところまで来てしまった。
逃げようと思ったら、逃げられるもんだ。
しかも、案外あっさりと着いている。
離れると少しくらい哀惜の念が浮かぶかと思っていたけど、
全く起こらない自分に驚いた。
実際、こんなもんか。
人の流れに乗って歩いたり座ったり、
そうしている内にどこかの駅に着いていた。
この駅にたどり着いたこと。
これがそもそもの運命の始まりだった。
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