まーくんの部屋
「あ…
あ、うわ…っ」
みりんとかを何とか入れて煮汁を作ることができたけど、
フライパンが変な音をたて始めた。
え… こ、焦げ…?
汁が焦げるって一体…
火を止めるべきか、焼くべきか。
手を出したり引いたりしていると、玄関の鍵が回る音がした。
「あ まーくんだめ…!」
せっかく役に立とうとしたのに、これでは完全に食材を無駄にしただけだ。
見ないで…!
「え…うわ!
ちょ、何してんの!」
まーくんは荷物を落として、
靴を足早に脱いで火を止めた。
フライパンからは、プスプスと音がしている。
「あっぶな…」
まーくんは後ろから私の肩に手を置いて、
その奇妙な匂いと音を立てているフライパンを凝視していた。
「もう、びっくりした
何してんの?」
肩をつかんで、まーくんは上から私の顔を覗きこんだ。
「ご…
ごめんなさい…」
やばい。
全然役に立ってない。
それどころか、迷惑かけてる。
どうしよう。
捨てられる…!