まーくんの部屋
エロ本も見た。
そこで淫らな格好をしているのも、私と似た顔の女だった。
そこでやっと、まーくんがなぜ私を置いてくれるのか分かった。
好きな顔なんだ。
やっと納得の出来る答えが見つかった。
嬉しい。
好きな顔なんて、すごく有利じゃん。
タイプなら、まーくんはまだまだ私を捨てないかも。
…なら、もっと私に夢中になってくれればいい。
料理じゃなくて、
やっと、私のするべきことが分かった。
「よし、いるねー
ただいまーっ」
そう言ってただにこにこしながら背広を脱ぐまーくんの目を
私はひざを折ったままじっと見ていた。
重なった雑誌類は、元の状態にきちんと積み上げられている。
お風呂をあがってみると、まーくんはパソコンに向かって仕事をしていた。
その横の床に座ると、まーくんは嬉しそうな表情をして何か言った。
それを無視して、私はまーくんにキスした。
「ん… ん…!?」
まーくんの口から漏れる息が熱くて、それを私の息と混ぜ合った。
「はぁ…はぁ」
緩んだネクタイをぐいっと引っぱりながら、舌を押しつけ絡ませた。
胸を擦り寄せると、そのまままーくんは倒れた。
「チカ!?…っん」
驚いた様子だったが、構わず続けた。
まーくんは私の顔が好きなんだね。
それなら、ここに置いてくれるためにできることは、
正にセックスじゃない。
料理の負担を減らすよりも、カラダで私に夢中になればいい。
「はぁ…ちょ、ちょっと待って」
今までしなかったのは、真面目だから?
そんなのどうでもいい。
男の人を気持ちよくする術、
学んどいてよかった。