まーくんの部屋



次の日、朝日で目が覚めると


まだまーくんは隣で寝ていた。


まーくんより早く起きたのなんて、初めて。



生まれたままの姿で、うーんと伸びをする。


「ふぅ…」


カーテンから漏れる光が時折目を射して、


暗順応していた目は光に起こされる。



横で眠ってるまーくん。


なんでそんなに安らかな寝顔なの?


日差しより熱い気持ちが、体の奥からわき上がってくる。



ここに来てしばらく経った。


栄養失調で骨の浮いていた腕も、


きれいになる。



まーくんの寝顔をそっと見ながら、


音を立てないように静かにベットを出る。


下着を履いて、貸してもらったまーくんのジャージを着る。


そしてそっと寝室を出る。



火は使うなと言われたから、冷蔵庫から冷たい牛乳を出した。


マグカップを一つ出して、粉を入れてココアを作る。



でも、冷たい牛乳には溶けにくい。


くるくるくるくるかき混ぜながら、ベットの側に座る。



そして粉の塊が消えるように、かき混ぜ続ける。


「ん…」


まーくんがのっそりと起き上がる。


「まーくんおはよう


これっ」



ベットの上であぐらをかいて、


まーくんがココアを飲む。



朝日の光うららかな、


ゆったりとした時間が流れる朝。




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