まーくんの部屋



「駅で見たあの男達は、友達じゃなかったわけ?」


目を離さないまま、まーくんは続ける。



どれのことだろう。


まーくんと会った日?


「友達じゃない」


どれにしろ、この街に友達はいない。




まーくんは激しく傷ついた表情をしていた。


下を向いて、手を頭に添えた。


「俺は…」


電気をつけていなくて、明かりは窓からの光だけ。


薄暗い方から、小さな声がした。


「俺は、


そんなことするためにここに呼んだんじゃない!」


キッとこっちを向いて、大きな声を出した。


「他の男と一緒にすんなっ!!」


そう叫んで出て行って、


バタンと玄関の戸が閉まった。





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