まーくんの部屋
まーくんは近づいてきて、私の頭にそっと触れた。
「言わないよ出てけなんて…
むしろ、ビクビクしてたのは俺の方」
近づきすぎて、まーくんの顔は見えない。
だけど声から、何となくその表情が予想できた。
「いい家とか、
ここより好条件な所があったら、ふっといなくなるんじゃないかって思って
だから毎日せっせと料理作ったりして、
ガキっぽい?」
ぶんぶんと頭を横に振った。
「出て行かせてなんてあげないよ」
まーくんは両手でそっと私の頭をつかんで、
頭のてっぺんに優しくキスをした。
話し相手。
働く男の人にはそれが必要らしい。
まーくんの好みも相まって、私は上手くその枠に収まれた。
ここに来て、胃も満たされるようになって
あったかいお風呂とベッドを与えてもらう。
その上まーくんがくれた、幸福な言葉たち。
しばらく私は、ここにいていいみたい。
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