美雨は元々孤児で、
両親が居ない。
生まれてすぐ施設の前に
置き去りにされていた。
その施設が経営難に陥り、
皆里親に引き取られていく中、
最後まで残ると
言ったのが美雨だった。
困り果てた施設長が
つてを当たり、
龍貴の父親に連絡をして
今の住まいにありつけた。
それを隠すつもりはないが、
龍貴の様に皆の前で
言うつもりはない。
自分はただの家政婦。
料理を作り、掃除をして、
与えられた仕事をこなすだけ。
そう思っていた。
この日までは。
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